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神奈川県の自己破産|横浜地裁の手続き・費用・必要書類を解説

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今回は、神奈川県の横浜地方裁判所で自己破産(個人)を申立てする時のポイントについて、いろいろと紹介できたらと思います。主に以下と私の経験を基に紹介していきます。

神奈川県の地方裁判所はどこにある?

神奈川県にお住いの方が自己破産をしようと思ったら、基本的に横浜地方裁判所で申立てを行うことになります。横浜地方裁判所は、神奈川県内に5ヶ所あります。

  • 本庁:下記以外
  • 川崎支部:川崎市
  • 相模原支部:相模原市,座間市
  • 小田原支部:小田原市,秦野市,南足柄市,足柄上郡(中井町 大井町 松田町 山北町 開成町),足柄下郡(箱根町 真鶴町 湯河原町),平塚市,中郡(大磯町 二宮町),厚木市,伊勢原市,愛甲郡(愛川町 清川村)
  • 横須賀支部:横須賀市,逗子市,三浦市,三浦郡(葉山町)

この管轄は、住民票や戸籍上の住所地ではなく、実際に住んでいる場所で判断する「実質主義」が用いられます(参考:自己破産の申立て裁判所はどこ?住所と通勤先で選べる可能性も)。

各支部の印象は?

私の感覚的なものになりますが、本庁を普通の基準とするとこんな感じのイメージです。

  • 川崎支部:厳しい・細かめ
  • 本庁:普通
  • 相模原支部:本庁よりやや緩い
  • 小田原支部:比較的柔軟に対応してくれる
  • 横須賀支部:比較的柔軟に対応してくれる

同じ関東の東京、埼玉、千葉と比較すると、神奈川県の自己破産は、割と柔軟に対応しているイメージがあります。

神奈川県の自己破産の特徴は?

神奈川県の自己破産の書式は、神奈川弁護士会によってすべての支部が統一されており、シンプルで法人と個人の2種類のみ。WordとExcelで選べるようになっています。

管財事件と同時廃止の線引きは?

以下のような案件は、管財事件として処理するとされています。

  1. 33万円以上の現金または20万円以上の換価対象資産を有していない
  2. 管財人による資産調査が必要とされる場合(法人の代表者、自営業者、負債額
    が5000万円以上の場合など)
  3. 否認権や不当利得返還請求権の行使によって財団を確保できる可能性がある場
  4. 免責不許可事由の存在が認められ、裁量免責の相当性について管財人の調査が
    必要である場合

神奈川県の自己破産で必要になる破産管財費用の最低額は?

最低20万円とされています。ただし、管財業務の困難性に応じて20万円を超えるとされています。

神奈川県の自己破産にある特有のルール

プラスルール

  • 家計収支は1か月分でOK
    申し立てに必要な家計収支は、一般的に2~3か月分を求められますが、横浜地裁ではわずか1か月分と負担が少ない特徴があります。
  • 退職金資料
    「勤続5年以上で退職金なしと申告する場合は、退職金がないことが確認できる資料を提出してください。」との記載があり、逆に勤続5年未満で退職金がない場合は、退職金がないことを示す資料を提出する必要がないということです。
  • 自動車の無価値ルール
    減価償却期間(普通乗用車6年、軽自動車·商用車4年)を経過している場合は、無価値として扱ってOK(高級車や外車を除く)。
  • 非招集型の債権者集会
    裁判所が問題ないと判断すれば、裁判所に出頭することなく、手続きが終わることもあります。
  • 債権者集会は2か月後
    開始決定から3~4か月後の地域も多い中、原則2か月と終結までが早い特徴もあります。

マイナスルール

  • 同時廃止から管財事件への移行が即決される
    東京地方裁判所では即日面接(裁判官と弁護士が話して説明する機会)があったり、その他の裁判所では補正・追完などで裁判所が管財事件の意向と判断した時に弁解や弁明の機会が少ない印象です。
  • ライフラインの支払に厳しめ
    支払方法やその報告書、支払いの明細を細かく求められます。

その他のルール

  • 管財人面談は開始決定後
  • 預貯金20万円の扱い
    現金と同様に流動性のある預貯金に関しては、生活上必要なものについては現金に準じて取り扱う傾向

自由財産の扱い

横浜地方裁判所では、「黙示的に自由財産の範囲の拡張の裁判があったものとして扱う財産」を指定しており、自由財産の拡張申立てをしなくても、一部の財産が自動的に自由財産の拡張があったものとして扱うということですね。

  1. 破産手続開始決定時残高が20万円未満の預貯金
    預貯金が数口ある場合において、その総額が20万円以上のときは、すべての預貯金
    が換価の対象となる。
  2. 破産手続開始決定時見込み額が20万円未満の保険契約解約返戻金
    保険が数本ある場合において、解約返戻金の総額が20万円以上のときは、すべての解約返戻金が換価の対象となる。
  3. 処分見込価格が破産手続開始決定時20万円未満の自動車
    減価償却期間(普通乗用車6年、軽自動車·商用車4年)を経過している場合は、無価値として扱ってOK。ただし、輸入車等の高級車の場合には6年を経過しても20万円以上の価値がないか検討する。
  4. 居住中家屋の敷金債権
  5. 電話加入権
    複数本ある場合でも換価を要しない。
  6. 支払見込額の8分の1相当額が20万円未満である退職金債権
  7. 支払見込額の8分の1相当額が20万円以上の退職金債権の8分の7

なお、上記以外の財産(株式、出資金、過払金返還請求権等)は20万円未満でも換価回収の対象になることに注意しましょう。

神奈川県の自己破産申立書の各種項目

申立書の内容も地域によって、違いがありますので、こちらで紹介できたらと思います。主に依頼者さんと協力して作成するのは、財産目録・報告書・家計収支になろうかと思います。

申立書の作成時に「こんなことを聞かれるかもしれない」と身構えることができるので、良かったら参考にしてみてくださいね。

申立書表紙

  • 氏名(旧姓)の漢字表記とふりがな
  • 生年月日
  • 住民票と居所が一致しているか
  • 電話番号
  • 手続進行(同時廃止・管財事件)の希望
  • 法テラス利用の有無
  • 生活保護受給の有無
  • 所有不動産の有無
  • 債権者集会は非招集型で良いか

債権者一覧

  • 債権者名
  • 債権者への書類送達先
  • 初回利用日、最終利用日、最終返済日
  • 借金の額
  • 借金の原因、使途
  • 保証人、担保の有無
  • 差し押さえ等の有無
  • 税金等、公租公課も同様

備考欄がなく、原債権者や代位弁済について記載するところがない点が特徴的。上申書や一覧表の下部に加筆しています。

財産目録

  • 現金
  • 預貯金
    金融機関、支店名、口座の種類、口座番号、残高。証券口座も含む(銘柄は有価証券へ)
  • 退職金請求権
    種類、支給見込額、1/8または1/4の額
  • 貸付金
    相手の名前、金額、貸付時期、回収見込み
  • 積立金
    種類、金額、積立開始時期
  • 保険(生命保険、傷害保険、火災保険、自動車保険等)
    保険会社、証券番号、解約返戻金額。共済も含む
  • 有価証券
    種類、取得時期、担保差入、評価額
  • 自動車
    車名、購入金額、購入時期、年式、所有権留保、評価額
  • 不動産
    不動産の所在地、種類
  • 賃料収入
    賃借人氏名、賃料月額、契約年月日、賃貸物件の所在地
  • 購入価格が20万円以上の財産(貴金属,美術品,パソコン,着物等)
    品名、購入金額、取得時期、評価額
  • 相続財産
    被相続人・遺言者、続柄、相続時期
  • 過去2年間に受領・処分した財産
    • 受領した財産
      賞与・退職金の受領、敷金の受領、離婚に伴う給付、保険の解約、定期預金の解約、過払金の回収等によって取得した現金について、財産の種類・受領時期・受領額・使途
    • 処分した財産
      不動産の売却、自動車の売却等について、処分時期・処分時の評価額・実際の処分額・処分の相手方・取得した金銭の使途
  • その他、破産管財人の調査によっては回収が可能となる財産

報告書・陳述書

  • 現在の状況等
    • 会社員・会社役員・公務員・アルバイト・パート
      勤務先名、就職時期、地位・仕事の内容、月収(手取り)給料日、ボーナス(支給月:手取り)
    • 現在または過去2年以内に会社代表者
      会社名、設立時期、営業の目的・内容、月収(手取り)、営業継続の有無、従業員数親族以外の従業員の有無
    • 現在または過去2年以内に自営業
      屋号、営業開始時期、営業の目的・内容、月平均売上げ、月平均収入、営業継続の有無、従業員数、親族以外の従業員の有無
    • 無職
      職に就けない理由
    • 公的扶助(生活保護,各種扶助,年金等)の受給
      種類・金額・開始時期・受給者の名前
  • 家族関係等
    • 氏名、続柄、年齢、職業、月収、負債総額、同居・別居の別
    • 家族で破産又は再生手続開始の申立てをしたことがある方がいる場合は、その方の氏名、係属する裁判所、事件番号、手続終了の日
    • 同居の家族(同一家計でない者を含む)及び同一家計の家族(別居の者を含む)を記載(別居していても、仕送り・送金等のやり取りがあれば、記載が必要)。
  • 住居
    • 借家、賃貸マンション、アパート、社宅、寮、公営・公団の賃貸住宅
      1か月の家賃(管理費込み)、敷金、賃借人氏名、入居日、家賃滞納の有無及び金額
    • 自己所有(又は共有)、親族所有、親族以外の者の所有する家屋
      居住開始日、所有者名、申立人との関係
    • その他
      具体的に説明する
  • 身上関係
    • 過去10年間の職歴(就職。退職の時期、就業先名、仕事の内容、月収と退職金)
    • 結婚、離婚、縁組、離縁の日付と相手方の氏名
    • 離婚に伴う財産分与、慰謝料、養育費の有無と詳細
  • 破産申立てに至った事情
    時系列に沿った説明のほか、負債を負った最大の原因、支払不能認識時期の記載欄がある。支払不能認識時期は偏頗弁済にも影響するので、自己破産を依頼した時期が理想。
  • 免責に関する事情
    • 過大な浪費支出・ギャンブル等の有無
      • ① 内容(飲食/風俗/買物等から選択)
      • ② 時期(開始~終了年月)
      • ③ 支出総額
      • ④ 収入から支出可能額
      • ⑤ 超過額(③-④)
      • ⑥ 負債総額
    • 不利な条件での債務負担・信用取引の有無(換金行為・高利貸しなど
      • ① 内容(高利借入/換金行為等)
      • ② 借入先・時期・金額・利率(高利借入時)
      • ③ 品名・購入価格・換金価格・時期(換金行為時)
      • ④ 理由
    • 不当な担保提供・弁済の有無(偏頗弁済
      • 時期・相手名・金額・理由を記載
    • 虚偽情報による借入の有無(申立1年前~申立日まで)
      • 時期・相手方・金額・内容を記載
    • 過去の免責関連事由の有無
      • 1: 免責許可決定(決定日を記載)
      • 2: 再生計画遂行(認可日記載)
      • 3: ハードシップ免責(認可日記載)
    • その他の免責不許可事由
      • 該当法条と具体的事実を記載
    • 帳簿改ざん等の有無
      • ① 商人経験の有無
      • ② 帳簿隠滅・偽造の有無
        → の場合:時期・内容・理由を記載
    • 免責不許可事由があるとしても裁量免責を相当とする事情
  • 申立人(債務者)又はその財産に関してされている他の手続又は処分
    破産、民事再生、外国倒産処理手続、訴訟、調停、担保権実行、強制執行、差押え、仮処分などの有無と詳細

家計収支

家計収支に付属して、「ライフラインの支払方法」を説明する書式があるのが特徴的。家賃や駐車場代、水光熱費、通信費、電話代、保険料の支払いなどの支払方法を記載する。

家計収支の中身はあまり特徴がないが、先にも説明したとおり、1か月分で良いという魅力がある。支出項目はこんな感じ。

  • 住居費
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 電話代
  • 新聞・雑誌代
  • 医療費
  • 教育費
  • 保険料
  • 駐車場代
  • ガソリン代
  • 交通費
  • 被服費
  • 健康保険等
  • 交際費
  • 娯楽費

神奈川県の自己破産で提出する基本資料

神奈川県の自己破産では、申立書の添付書類として、以下の書類を基本的に必要な書類としています。

■必須の書類

  1. 住民票(同居者全員・本籍地・続柄などの省略がないもの)…3か月以内のもの
  2. 通帳(表紙・裏表紙・定期預金等)の写し(残高がない場合を含む。) 
    申立て直近2年分(最終記帳日を記入、最終記帳日は1か月以内)、合計記帳(おまとめ)の取引履歴など、事情説明が必要と思われる通帳記載事項のメモ・報告書
  3. ライフラインの支払方法
  4. 委任状

■該当する場合に必要な書類

  1. 現在の勤務先での勤務年数が5年以上の場合
    仮に辞めたら退職金が幾ら出るかの見込計算書または退職金がないことの証明書など退職金がないことがわかる書類
  2. 積立金(財形貯蓄·社内預金など)がある場合・最近払戻しをした場合
    • 積立金の残高証明など積立額のわかる書類
    • 使途報告書
  3. 保険(生命保険·損害保険等)を掛けている場合・過去2年間に解約した場合
    • 保険証書(同居者全員分)
    • 解約返戻金計算書
    • 解約返戻金の使途に関する報告書
  4. 株式·ゴルフ会員権などの有価証券を所有している場合
    • 株式保有明細書
    • 会員権証書など
    • 処分価格を証明する書類
  5. 自動車を所有している場合
    • 自動車登録証
    • 車検証(同居者全員分)
    • 見積書(登録後6年以内のもので残ローンがない場合)
  6. 不動産を所有している場合
    • 登記簿謄本(3か月以内のもの)
    • 住宅ローンの残高証明書
    • 固定資産評価証明書
    • 査定書(2社分)
    • 競売事件の評価書及び売却基準価額が記載された期間入札等の通知書
  7. 過去に不動産を相続したことがある場合
    登記簿謄本
  8. 過去2年間に不動産を処分したことがある場合(競売で売却された場合も含む。)
    どのような不動産をいつ、いくらでどのように処分し、代金はどうしたのかの報告書(登記簿謄本・契約書・抵当権者の領収書・競売の配当表等を添付)
  9. 最近1年以内に退職している場合(勤務年数5年以上)
    • 退職金支払額計算書
    • 受領についての書類、使途報告書
  10. 給与を得ている場合
    • 給与明細最近2か月分
    • 源泉徴収票または課税証明書
  11. 最近2年以内に会社代表者または自営業者だったことがある場合
    • 会社の登記簿謄本(3か月以内のもの)
    • 事業所の賃貸借契約書
    • 税金申告書の控え(過去2期分、税務署の受付印のあるもの)
    • 従業員がいる場合は、従業員の状況、給与、退職金の支払状況に関する報告書
    • 会社所有の不動産や自動車がある場合は、その不動産登記簿謄本や自動車登録証など
    • 事業に関する陳述書
  12. 生活保護・失業保険・児童手当等の公的な扶助や年金等を受給している場合
    受給証明書など受給していること及び受給額のわかる書類
  13. 無職の場合
    非課税証明書
  14. 借家に住んでいる場合、駐車場を借りている場合
    • 賃貸借契約書
    • 住宅使用許可証
  15. 申立人以外の人が所有する不動産に住んでいる場合
    その人が所有する土地・建物の登記簿謄本
  16. 離婚している場合
    財産分与・慰謝料・養育費などの支払を約束した書面

まとめ|神奈川県で自己破産をするなら!

本記事では、神奈川県で自己破産を申し立てる際の横浜地方裁判所の特徴や具体的な手続きについて解説しました。

横浜地裁には、家計簿の提出が1ヶ月分で済む、特定の条件下で自動車が無価値扱いになるなど、申立人にとって負担が軽減される独自の「プラスルール」が存在します。一方で、ライフラインの支払いに厳しい、管財事件への移行判断が早いといった側面もあります。

このように、自己破産の手続きは地域ごとに若干異なるルールがあり、申立書の作成や多数の必要書類の準備には専門的な知識が不可欠です。神奈川県での自己破産を円滑に進め、新たな生活をスムーズにスタートさせるためには、これらの地域特性を熟知した弁護士へ相談することをおすすめします。

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