今回は、私が自己破産手続き中の方に特に気を付けてほしい、「破産手続き中に相続が発生した時」の取り扱いについて書いていきます。破産手続開始決定前後での相続の違いや、相続放棄の必要性について書いていきます。
破産手続開始決定前後の相続財産の扱い
そもそも、破産手続開始決定とは何かというと、このような効果が発生する裁判所の決定です。
(3は今回あまり関係ない部分を割愛しました。)
- 破産管財人の選任
裁判所は破産管財人を選任し、破産者の財産の管理処分権が破産管財人に移ります。 - 財産の管理・処分
破産者の財産は破産財団として破産管財人の管理下に置かれ、債権者の満足のために換価されます。 - 債権者の権利行使の制限、官報への掲載、居住地の制限、郵便物の転送、職業制限
つまり、相続財産について管財人が関わってくる可能性があるということです。
破産手続開始決定前の相続財産の扱い
破産手続開始決定前に相続が発生した場合、相続財産は「破産財団」に組み込まれます。破産財団とは、破産手続きで債権者に分配される財産のことです。
破産手続開始決定後の相続財産の扱い
破産手続開始決定後に相続が発生した場合、相続財産は「新得財産」として扱われます。新得財産は破産財団に組み込まれず、債務者が常識の範囲で自由に処分できます。
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つまり注意すべきは「破産手続開始決定前の相続」
破産手続き開始決定前に相続が発生した場合、相続財産は破産財団に含まれる可能性があります。そして、遺産分割協議で破産者が相続しないことに合意(財産行為)したとしても、その合意が法定相続分を処分する行為であり、債権者の不利益になると判断されれば、破産管財人が遺産分割協議の効力が否認し、破産管財人を含めて、他の相続人を含めて遺産分割協議を仕切りなおす可能性があります。
※法定相続分の例:亡くなった人の遺産が1000万円で、妻と子供2人が相続人の場合
| 相続人 | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者 | 1/2 |
| 子 | 1/2 (均等分割) |
- 妻の相続分 = 1000万円 × 1/2 = 500万円
- 子1の相続分 = 1000万円 × 1/4 = 250万円
- 子2の相続分 = 1000万円 × 1/4 = 250万円
そのため、破産手続き開始決定前に相続が発生した場合、破産者が相続放棄をするのが賢明です。相続放棄をすれば、そもそも相続権を持たない(身分行為)ため、破産管財人が介入する余地がなくなります。
遺産分割協議(単純承認)
遺産分割協議とは、相続人全員が集まり、被相続人の遺産をどのように分割するかを話し合う手続きです。この協議には相続人全員の参加が必要で、全員の合意が得られた場合にのみ有効です。
法的効果
- 相続人の地位
遺産分割協議に参加することで、自分が相続人であることを認めたことになります。 - 財産の分割
協議の結果、特定の相続人が財産を相続しないと決めた場合でも、その相続人は相続人としての地位を失いません。 - 負債の相続
遺産分割協議で財産を放棄しても、負債は相続することになります。つまり、債権者に対しては負債の返済義務が残ります]。
相続放棄
相続放棄とは、相続人が家庭裁判所に申述を行い、法律的に相続を放棄する手続きです。これにより、相続人は初めから相続人でなかったものとみなされます。
法的効果
- 相続人の地位
相続放棄をすると、その相続については初めから相続人でなかったものとみなされます。 - 財産と負債の放棄
プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しません。したがって、債権者からの負債の返済請求も免除されます。
比較表
| 項目 | 遺産分割協議 | 相続放棄 |
|---|---|---|
| 手続きの方法 | 相続人全員で話し合い | 家庭裁判所に申述 |
| 手続きの期限 | なし | 相続開始を知った日から3ヶ月以内 |
| 相続人の地位 | 失わない | 失う |
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まとめ
破産手続開始決定後の相続については自由に破産者が決めることができますが、破産手続開始決定前に発生した相続は注意が必要です。
遺産分割協議は相続人としての地位を認めることとなります。一方、相続放棄は相続人としての地位を失う点で大きく変わります。どちらの手続きを選ぶかは、相続する財産や負債の状況に応じて慎重に判断する必要があります。
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