自己破産において「確定申告書を誤魔化してしまった」「確定申告をせずに脱税してしまった」など、業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したことが免責不許可事由に該当するとしております。
自己破産で免責されるのか?ペナルティはあるのか?
- 財産目録虚偽:免責不許可の可能性が高い、ペナルティあり
- 確定申告虚偽:免責不許可の可能性は低い(条件付き)
- 帳簿隠滅:免責不許可の可能性は低い(条件付き)
条件は破産手続き依頼前のことで真摯に対応すること
こんな免責不許可事由に不安を抱く方へ役立つ内容
- 確定申告で売上を偽造してしまい免責されるか不安
- 確定申告をいない、脱税しているのでバレたら免責されないか不安
- 帳簿をつけていないから提出を求められたらどうしよう
- 過去の帳簿等を処分・紛失してしまった
自己破産の免責不許可事由では、こんな隠滅・偽造・変造を禁止
- 確定申告書の偽造:税務署に提出する確定申告書を偽造し、実際の収入や財産の状況を偽って過少申告した場合。
- 決算報告書の変造:会社の決算報告書を変造し、実際の財務状況を隠すために数値を改ざんした場合。
- 帳簿類の隠滅:破産者が自己破産の申立て前に、業務に関する帳簿や書類を隠滅した場合。
- 虚偽した財産目録の提出:裁判所に提出する財産目録に虚偽の情報を記載し、実際の財産を少なく見せかけるために偽造した場合。
なぜ隠滅・偽造・変造を禁止されているのか?
もちろん隠滅・偽造・変造は良くないことであることは言うまでもありません。ポイントは「なぜ自己破産の法律でわざわざ禁止と明記されているのか」です。
答えは「今ある破産者の財産を正確に確定させ、債権者へ公正で適正な配当をするため」です。
つまり、隠滅・偽造・変造したことを議論したいのではなく、その「浮いたお金の行方」を確かめたいのです。
結局、確定申告等を隠滅・偽造・変造したらどうなるのか?
結論としては、裁量免責が認められることが多い印象です。少なくとも私が担当した案件の中にこの免責不許可事由で不許可となった案件はありませんでした。
正直に事情を説明し、真摯に対応することで、裁量免責が得られる可能性が高いと思います。
問題は虚偽した財産目録を提出すること
偽造した財産目録を提出することは「意図的に」資産を少なく申告し、債権者を害しており、これから借金を免除してもらう立場としては、あまりにも悪質と言わざるを得ません。
このような破産手続き「依頼後」の免責不許可事由は厳しく見られるため、特に注意が必要です。もちろん、間違えてしまうことは誰にでもありますので隠す意図がない時は、説明することで問題を解消されることもありますので、諦めずに説明を尽くしましょう。
免責不許可事由(隠滅・偽造・変造)に関するよくあるQ&A
基本的に脱税と自己破産事件は別事件であり、自己破産で脱税が明らかになったからといって逮捕されることは考えられません。少なくとも私が担当した案件にはありませんでした。
破産管財人から、再申告をするように推奨されることがあり、多少の追徴課税を課せられた案件がありました。自己破産手続き中であることもあり、分割での支払いになっていました。
正直に事情を説明し、資産があるのであれば正確に申告して、破産管財人の指示に従い、処分して債権者へ配当することが大原則です。
個人事業主や事業者が破産する時に注意すること
自己破産後の事業継続可能性
自己破産後も個人事業主としての活動を禁止されることはありません。ただし、過少申告していないと事業が赤字になっていたり、破産手続きによって、リース契約等が解除される、下記のとおり、備品を処分しなくていけないと判断された場合、事業の継続が難しくなることもあります。
自己破産後の事業備品等
自己破産は「財産を清算する」手続きです。このため、原則では財産を現金に換えて、債権者へ配当することになります。ただし、事情を説明することで「自由財産(手元に残せる財産)」と認めてもらえる可能性もあります。さらに自由財産と認められなかった場合でも、残したい資産の相当額を支払うことで手元に残せる可能性もありますので、諦めることはありません。
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税金の支払義務は免除されない非免責債権に・・・でも!
残念ながら、税金の支払いは自己破産の免責の効力が及ばない「非免責債権」に該当しますので、自己破産手続後も支払いが必要となります。
ちなみに、破産手続きで配当がある場合、税金の滞納から割り当てられますので、特に配当が見込まれる場合は、この際に再申告した方にメリットがあると思います。
まとめ
破産法第252条1項6号は、特に事業者の破産手続において帳簿や書類の隠滅、偽造、変造を行った場合に免責が不許可となることを規定しています。事業をしていながら破産手続を検討している方は、帳簿や書類の適正な管理を徹底し、免責不許可事由に該当しないよう注意が必要です。
すでにこのような行為をしてしまった場合は、弁護士らに誠実に申告することで、裁量免責を得ることも可能となりますので、誠実に対応しましょう。なお、脱税等があった場合は、別事件で破産事件とはあまり関係しませんが支払義務を免れることはできないので、役所と相談して支払方法を協議しましょう。
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